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セルフコントロール研究所 ~ ともぞうブログ

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2011/05/06(金) 00:13:28

[自己啓発書] 人生がときめく片付けの魔法

人生がときめく片づけの魔法
近藤 麻理恵
サンマーク出版
売り上げランキング: 15


実用書で久しぶりの、オレ的大ヒットです。
思わず、すごい勢いで片づけし始めてしまいました。

二度と散らからない、片づけられる正しいマインドが身につく、大好きなモノだけに囲まれた生活ができる、正しい片づけ方がわかります。そして、片付けで、いかに人生が変わるかも。

「片付けは祭り」であり、「一気に、短期に、完璧に」やるべきだと書いてあります。
片付けの前に、理想の状態を考える。そして「捨てる」と「置く場所を決める」の二つの段階を混ぜず、まず、捨てる段階を完璧に終わらせること。
さらに、場所で分割して進めるのではなく、モノの種類ごとに一気にやるということ。
どれも納得。

「わかっちゃいるけど、捨てられない」時、どうするか。
著者は言います。「とことんそのモノに向き合ってみてほしいのです」と。

「思い切って捨てる」「機械的に捨ててしまう」のではなく、「とことん向き合う」。ある意味修行ですが。
私の場合、本棚を占領しているだけで読み返さないとわかっている本と向き合ってみて

「保留」という判断がいかにラクか

を思い知りました。「判断」せず「保留」することが、いかに新陳代謝やPDCAサイクルを阻害し、大きなリスクを負うことであるか。

有限な人生の時間の中で、自分が何に集中するべきかを判断せず保留し続け、「とりあえず読んでおいて損はないだろう」という本を消費し続ける。そんな、モラトリアムでさえない現実逃避をいつまで続けるのか。

そこまで考えさせられましたw
良いこと書いてあります。
最後には「本当の人生は、片づけたあとに始まる」とも。

世間のありがちな考え方を見せておいて反対側にぶった切る、文章の爽快感も、なかなかのものです。
欠点は、図や絵が本文中に一切ないことくらいです。

が……。
そんなことより、大変なことが。
著者のこの、ルックスです。

こんまり

しかも、元巫女さんですよ?

ただ、性格はむちゃくちゃキツそうですけどね……。
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2011/04/16(土) 20:09:23

[自己啓発書] スマートノートとストリートスマート



あなたを天才にするスマートノート
岡田 斗司夫
文藝春秋
売り上げランキング: 193


最近出たどちらの本にも「頭が良くなる方法」が書いてあります。
たしかに参考になるんだけど、結局、「毎日ちゃんと頭を使わないといけないよ」という結論になってしまう気がします。

そして、たしかに、みんな頭が良くなりたいと思ってはいると思うんですが、それよりもっと多いのは、冷静に頭で考えたらどちらが良いかわかりきっている選択を、日常生活でどうしても間違ってしまう、それを何とかしたい、ということではないでしょうか。頭を良くするまでもなく正しいとわかることを、実行できるかどうか。明らかにバカな行動をやめられるかどうか。それだけで、毎日の充実度が全然違う。わかっちゃいるけど、できない。ともぞうブログでもよく取り上げているテーマです。

でも、頭を良くすることと実行力をつけることは、実は同時に達成できるのかな、と最近思います。
要は、ちゃんと頭を使っているかどうかではないか。
無意識に実行してしまう前に、ちょっと立ち止まって、考えているかどうか。
ただし、無意識を正当化する方向に頭を使ってしまうのではなく、ちゃんと「質問」を使って、できたら頭の中だけでなく紙やパソコンを使って、普段から本当に「考えて」いるかどうか。
ちゃんと頭を使っていれば、実行できるし、頭も良くなるような気が、最近してきました。
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2010/12/06(月) 23:02:48

[自己啓発書] 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法2

《しかし結局、『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』って、何やったんやろうな》
「そうそう、それなんだよ。今話してた女の子、って歳でもないけど、女性だって、じゃあどうすりゃいいんだい、って話なんだよ。それが書いてある本だと思うじゃない」
《ま、そうカンタンなたったひとつの方法があったら、みんなやってるわな》
「前半でさんざん、残酷な世界を強調しておいて、生き延びるたったひとつの方法については――」
《伽藍を捨ててバザールに向かえ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ》
「意味が分からない。しかも、この2行に要約できると言っておきながら、この2行についての説明は最後の方にちらっとあるだけ。どうでもいい答えをもったいぶってCMに突入する最近のテレビ番組みたいだぞ」
《まあ、アンタの好きなミステリも同じパターンやけどな》
「しかし、オチがあまりにも残念だ。『やればできる』は間違いだ、とさんざん勝間を攻撃しておきながら、結局、『伽藍を捨ててバザールに向かえ』ってことは、『会社に人生を預けるな』ってことだろう?」
《やな。しかも、勝間の『会社に……』は、単純に『会社なんか辞めちまえ』という話じゃなくて、会社を辞めてもやっていける能力と精神的余裕を身につければ、会社のなかでも一段階上の視点から判断・行動できるって話だからな。その上、会社に残ることは、1つの判断をすでに下してて、リスクを取ってしまってるんだよ、という『リスク・リテラシー』の考え方を紹介して、汎用的な内容になっている》
「それに対して『残酷な』は、日本の会社にいたら不幸になるぞ、程度の話だからな」
《じゃあどうすんねん、と。恐竜の尻尾のなかに頭を探すって、具体的にどうやるねん、と》
「それから、遺伝と子供の時の環境で適性が決まるって話はいいけど、だからって、『やってもできない』って言ってどうするんだよ、と」
《いや、それは単に、この本を読んでもらうための釣りだろ》
「そうだな。勝間は、自分の強みを活かせとさんざん言っていて、苦手なこともやればできるようになる、なんてことは一切言ってない。むしろ、ストレングスファインダーをやれとか、自分史を書いてこれまで少しでも成功したことを探せとか言ってる。ある意味、『やってもできないという事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる』方法を語っているわけだ」
《お、だんだんカツマーの本性が現れてきたな》
「まあ私は勝間の言うことを実践してるわけではなく、単に勝間の言う内容を楽しんでいるだけだがな。勝間の『やればできる』という本のタイトルは、すごく良いタイトルだと思うけど、勝間は『やればできるからやれ』と言ってるわけじゃない。読者が勝手に『やればできる』と思うだけなんだよ。人はなぜ勝間本を読むのかで言ったとおり」
《ふうん。よくわからんがな》
「それと、重要なことが『残酷な』には抜けていると思う」
《ふん》
「人間誰でも得手不得手がある。苦手なことで勝負してもムダ。それは『残酷な』に書いてあるとおり。でも、今の時代、どんな生き方をするにしても、最低限知っておかないと確実に不幸になること、ってあるよな」
《なるほど》
「それを勉強することを放棄しちゃいかんと思う。宝くじは年収の低い人のほうがたくさん買ってて、胴元は絶対に儲かる。だから国が富くじの販売を独占してるはずなのに、ギャラの高い芸能人使ったCMをバンバン流して射幸心を煽ってる。西成のヤクザとどう違う? 『カイジ』シリーズは学校で教科書に使うべきだと思ってて、カイジが地下で働いたカネを搾取されるシステムって、現実そのものなんだよね。バカだとカネをむしり取られる世の中で、でも、だからこそ、ちょっと勉強するだけで不幸にならずに済む。だから自己啓発しなきゃいけないんだよ」
《まあ、自己啓発の必要性を認めてない人は『残酷な』も買わないだろうけどな》
「ただ、『残酷な』で勝間は『自己啓発の女王』として批判されてるけど、すくなくとも、テレビで保険や住宅ローンについて本当の話が多少なりとも出るようになったのは、彼女の『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)』の功績があるだろう」
《ってことをこの前アンタはtwitterでつぶやいてたな》
「そう。そしたら、勝間さん本人からRTされて。私は勝間さんにフォローされてないから、彼女、検索して私の発言を発見したわけだ」
《何というマメさ》
「恐るべし。そして、ということは、だ。これまで私が彼女について発言してきたさまざまなdisも、すべて読まれた可能性があるわけだ」
《でも、見事にスルーしてくれている、と》
「恐るべし。やっぱすごいね、勝間さん」
《本人から直接話しかけられると、悪口を言いにくくなるしな》
「それも計算かも……」
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2010/12/04(土) 00:01:06

[自己啓発書] 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法1

 とうとう、飼っている犬と話をするのが日常になってしまった。
 その犬は、ミニチュアダックスフント。名前は小次郎という。
 音として言葉を発しているわけではないらしい。頭の中に言葉が直接響いてくるような感じだ。私の脳内だけの妄想とも言える。
 しかし、妄想であれば私の考えていることがダイレクトに小次郎に伝わっても良さそうなものだが、声に出して話しかけないと小次郎は反応しない。めんどくさい話だ。
「おい、小次郎」
《何や、酔っ払い》
 珍しくすぐに反応した。しかし、顔を向けもしない。ソファで寝転んだまま、目だけこちらを見る。言葉といい態度といい、飼い主に対するものではない。
「話を聞いてもらえるのって、気持ち良いな」
《何や、気持ち悪い》
「お前のことじゃないぞ。お前は俺の話をちゃんと聞かないだろうが」
《ふん。アンタもわしにちゃんとしゃべらへんやんけ。犬やと思ってナメてんのか知らんけど》
「いや、女の子がいちいちうなずきながら『面白い』って言って聞いてくれる方が、そりゃちゃんとしゃべる気になるよ」
《珍しい女もいるもんやな》
「いや、そうなんだよ」
《惚れたか?》
「彼氏がいるらしい。というか結婚するかも知れん、と」
《それでも話を聞いてもらえてうれしいか?》
「そうなんだよ」
《何の話してん?》
「宝くじで儲けてるヤツらは西成の日雇い労働者相手に博打の胴元してるヤクザと同じだとか、職場の飲み会はいかに酔っ払って他人に迷惑かけるかの勝負だとか」
《もうちょっとマシな話ないんかい。女子と話すのに》
「いや、そうなんだけど、今日の飲み会はたまたま気の合う相手がいなくて。女の子も話し相手がいなかったみたいなんだ。というかその子、ちょっとみんなに嫌われ気味でさ」
《なんで?》
「うーん、男職場でそれなりに出世してきた子だから、ちょっと無理してきた歪みが出てるのかな。言葉の端々に」
《ふむ》
「自分には能力がある。男に負けてないんだ、的なことを言わずにいられない、みたいな」
《なるほど》
「でも会社って、『残酷な世界』なんだよ。日本の企業は簡単には従業員を解雇できないかわりに、人事に文句は言わせない」
《転勤とか子会社への出向とか》
「そう。で、その人事は社員の社内での『評判』で決まる」
《オープンな『世間』ではネガティブな評価はリセットできるけど、クローズドな社内ではネガティブな評価ばかりがいつまでも消えずについて回る。橘玲の『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』やな》
「うん。そのネガティブな評価を面と向かって言われることはあまりない。でも、感じるわけだよ。自然、それをはねのけたいという気分が言動に出てしまって、悪循環。だけど、だ」
《ほう》
「彼女は結婚して仕事をやめることができる」
《なるほど》
「でも、俺としては、仕事やめてほしくないんだ。うちの職場には、女性もいた方が絶対に良いんだ。男社会の中でせっかくそれなりに出世したわけだし、もったいない人材なんだよ」
《そんな子、アンタの職場におったか?》
「いや、今日は研修の打ち上げの飲み会だったんだけど、研修が終わったら、勤務地が違うから、もう二度と会わない可能性が高い。で、最後にこう言っておいたんだ。もし仕事やめる時は電話してこいって」
《うむ》
「そしたら何でかわかんないけど、素直にうなずかないで、『いや、もし仕事続けることになったら電話する』って言い張るんだ」
《……》
「なんで最後のあれだけ素直に納得しなかったのわかんないけど、俺は「いやいや、もし仕事やめるならその時電話してこいって言ってやったよ」
《……アンタそれ、向こうの気持ち分からんか?》
「え?」
《それ、アンタのことを男として意識してるという意味やろ》
「は?」
《その子は、結婚するつもりでいたけども、何らかの理由で迷っている。結婚せずに仕事を続けるなら、アンタと仲良くしたい、ってことやろうが》
「そういうことなのか? そう言えば、彼女、30歳過ぎてるのに何で結婚しないの? みたいなことを他の男に言われて困ってたけど、何か事情があるんかな……。あれ? 待てよ。というか、今つきあってる男がアカンかったらアンタとつきあったるわ的な意味なのか?」
《ま、そういうことやな》
「それもビミョーだな。うれしいようなうれしくないような……」

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2010/09/05(日) 17:28:04

[自己啓発書] 不幸になる生き方 ~ 人はなぜ勝間本を読むのか

 昔別れた女が私の一人暮らしの部屋に置いていったミニチュアダックスフント、小次郎。
 この「化け犬」が、人間の言葉をしゃべって私に説教とオヤツの要求をした、その後。
 私の方から、飼い犬である小次郎に対して、頭をなでたり、要求を呑んでオヤツを与えたり、猫なで声で話しかけたり、大声で怒鳴ったりしてやった。
 しかし小次郎が私に対して不思議な「声」で話しかけてくることは、その後は一向になかった。
 あれは、職場の人間関係のストレスが引き起こした幻聴だったのだろうか。
 それともこの「化け犬」、何か考えがあって、あるいは単なる気まぐれで、あえて私と話をしないようにしているのだろうか。
「こら、小次郎」
 いつものソファの上で顔を縁に乗せて気持ちよさそうに眠っている化け犬に対し、私は話しかけた。
 小次郎はいつものように、目を半分だけ開けて、顔は動かさずにこちらを見る。
「何とか言え、この化け犬」
 小次郎はソファの上で立ち上がり、ソファから飛び降りて、私を上目遣いで見た。
《うるさいオッサンやな、何や》
 頭の中に直接響いてくるような「声」。ちなみに、完全に「オッサン」の声である。その声に「オッサン」と言われるのも腹が立つ。
《ヒマなんかいな。わしに話しかけてるヒマがあったら、本でも読んどきゃええやないか》
「本を読むのもな、20分に一回くらい、すこしだけ休憩を入れた方が効率が良い」
《まああんまり、生産的な読書でもないみたいやけどな》
 先ほど私がベッドの上に置いた勝間和代の『不幸になる生き方』を横目で見ながら、小次郎は「言った」。
「何もやる気がないから、とりあえず勝間本を読んでいるんだ」
《やる気がなかったら、勝間和代の本を読む?》
 やる気がないというか、難しい本を読むには気合いが足りない。腹は減ってない。性欲は高まってこない。何かを考えるのは面倒くさい。とりあえず勝間本でも読むか、という感じなのだ。
「うーん、説明が難しいな。あんまり気合い入れなくても読み始められるんだよ。だいたい、知らないことばっかり書いてる本なんて、まず読めないだろ?」
《そらそうや》
「勝間和代の本って、知らないことは書いてないんだよ」
《そんなん読む必要ないやん》
「違う違う。普段何となく自分で思ってることが、はっきりしたわかりやすい文章で、出版されてそこそこ売れてる本に、書いてある。ああ、俺が思ってたことは正しかったんだ、と。勝間先生も言ってるよ、と」
《ふむ》
「人間、自分が信じたいものだけを認知するんだよ」
《バカだな、人間》
「まあ、バカだ。そして、その、信じたい内容というのは、ごくごく単純。勝間本のタイトル通り。『やればできる』」
《なるほど》
「本当は、何かやりたいと思ってるんだ。まあ言ってみれば、“やる気を出す気”はあるんだ。そんな状態で、『やればできる』というメッセージを受け取ったら、“できるならやろう”と思うだろ? だから、やる気が出るんだよ。背中を押して欲しいから、読むんだ」
《何かややこしいが、まあ言わんとすることはわからんでもない》
「しかしな、しょせん、“できるんだったらやろう”と言うレベルのやる気しか出ない。自分の内側からわき上がってきたやる気じゃないから、ちょっと壁に当たると、すぐやる気をなくす」
《アカンやん》
「しかし、一時的にでも“自分にもできるかも知れない”という夢を見せてくれる勝間先生は偉大だよ」
《“再現性のある方法”とか、“技術”とかいう言葉を使って、“世の中、理屈で解決できるんだ”って姿勢を徹底して見せてるみたいやな》
「その通り。でもな……しょせん、他人がうまくいった方法なんだよ。自分なりにアレンジしなきゃ、うまくいくはずがない。やってみて、失敗したら原因を分析して、もう一度やらないといけないのに、一度失敗すると“できないかも知れない”と思うから、もうやる気が出ないんだ」
 小次郎は雨に濡れたときにやるように、両足を広げて踏ん張り、身体をブルブルと震わせた。別に濡れてはいないので、水は飛び散らない。「あほらしい」と思ったのかも知れない。
「考えることさえも面倒くさくて、とにかく書いてあることを読むだけなんだ。何も考えずにその通り実行するだけで結果が出る、結果が出ると思わせてくれる方法論を求めて、新しいものが出るたびにそれに飛びつくんだ」
《ダイエット法、ライフハック、仕事術……》
「そう。大事なのは方法論じゃない。試行錯誤だ。しかし、他人の方法論、成功体験は、その通り『やればできる』と思わせてくれる。中毒になっても仕方がないよ」
《お前さんは中毒になってないと主張するわけやな》
「当たり前だ。私は単に、面白いから本を読んでるだけだ。たしかにダイエット本も大量に読んだが、一切実行に移していない。そんな気がない。勝間が本の中で紹介しているノートパソコンや自転車やその他買うだけで成功できる気にさせてくれるグッズも買ってない。ムダな時間もカネも使っていないんだから、私はだまされてはおらんのだ」
《まあ別に、勝間がだましてるとも、世間の人がだまされてるとも思わんが……。お前さん、前につきあっていた女性が、勝間和代に本気で嫉妬してたな》
「女性の気持ちは私には全くわからん。

自分をデフレ化しない方法 (文春新書)チェンジメーカー断る力 (文春新書)

3つ並べると、ほとんどギャグだぞ、これ。これに女性として嫉妬するなんて……」
《普段覇気のないお前さんが、元気を出してしゃべったときに、話題が勝間やったんやろ》
「たしかに、やる気のない状態から読めて、ちょっとだけやる気が出るからな……『不幸になる生き方 (集英社新書)』も、反論に対して遠慮しながらも、“技術だ”“方法を知ることだ”と力強く訴えてる。最近ちょっと無理矢理な感のあったフレームワークも、この本については、プロローグと目次を見ただけで一目瞭然、良くできてる」
《アフィリエイト付きのリンクをして、褒めたな……お前さんも勝間みたいに、金持ちになれたらええね……》


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2010/09/05(日) 17:20:50

[自己啓発書] 単純な脳、複雑な「私」

 勝間和代の『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』を、小飼弾は「浪費しない、投資を惜しまない」と要約した。
 断言しよう。私は社会人になってからの10年間というもの、「投資しない、浪費を惜しまない」生活を送ってきた。
 私は、勝間和代のほぼすべての著作、『夢を叶えるゾウ』、スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』、フィリップ・マグロー『史上最強の人生戦略マニュアル』、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」、『金持ち父さん貧乏父さん』、その他数々の自己啓発書を読んできた。
 しかし、それを自分の人生において実践したことなど一度もない。
 はっきり言っておく。おまえらは、他人が書いた、世間で流行っている本を読まなければ、自分の人生さえ送れないのかと。
 私は自分で自分の人生を送る。
 自己啓発書を読むのは、それが戯れ言として面白いからである。私は面白がるために本を読んでいるのであって、実用に役立てようなどという低俗な発想は私にはない。
 したがって、今現在も私は、酒を飲みながらPCに向かい、ブラウザを立ち上げ、検索窓に「dmm」と入力している。
 私は勝間和代と違い、何でもかんでも効率効率と貧乏くさく時間を使うのは大嫌いなので、ブックマークをしてツールバーにリンクを表示させたりするようなことはしない。検索窓に「dmm」と入力する程度の手間は惜しまないのである。もし仮に、私の部屋に女性が来なくなってかなりの歳月が過ぎており、私の PCを女性が使うことなどなくなっていたとしても、この習慣を変えることはない。
 やがて気持ちが高まってきたので、私は椅子から立ち上がり、ティッシュペーパーを取りに部屋の中を移動した。そして少しだけ気持ちを落ち着け、再度モニターの中に神経を集中した。ますます気持ちが高まってくる。その時。
《くぉるぁ!》
 ドスのきいた声で一喝された。
 もちろん、他人のいるところで日本の誇るdmmの優秀なコンテンツを鑑賞しながら気持ちを高める趣味は私にはないので、この部屋には私しかいない。
《オナニーばっかりしやがって。たまには読んだ本に書いてあること実行せえ、バカ》
 どこから声が聞こえてくるのだろう。いや、声じゃないような気がする。ものすごくリアルに、過去の経験を思い出しているときのような。脳に直接、「人がしゃべっている」という情報がインプットされてるような。夢の中で音を聞いているときのような。
《ほんっまに、人間のくせに。本読めるくせに。欲に動かされてるだけやんけ。情けないのう》
 正確に言えば、この部屋には、私の他に、小次郎という名前の犬がいる。昔別れた女が置いていった、ミニチュアダックスフントだ。マンションの室内で飼っているが、吠えたりすることはなく、他の部屋の住民に迷惑はかけていない。散歩に連れて行くと、犬好きはみんなこの犬のことをじっと見る。「かわいい」と言われる確率も相当高い。おとなしくてかわいらしい風を装っているが、実は気にくわないことがあると部屋中に小便を撒き散らして飼い主に抗議する。私がそれを最も嫌がるのを知っているのだ。実に恐ろしく、性格の悪い犬である。
 私は小次郎を見た。小次郎はいつもの上目遣いで私を見ている。
 声が聞こえる。
《人間のくせに、食って寝てオナニーしてるだけか、お前は。犬のオレでさえ、去勢され、食事を制限されることに耐え、身体を鍛え、日々思索にふけっているというのに》
「――お前か?」
 私は問うた。犬の小次郎に。
 小次郎は、私に話しかけれらた時にいつもそうするように、定位置のソファから飛び降り、私の足元にやってきて、私を上目遣いで見ながら、しっぽを振った。
「腹減ったんか?」
 小次郎はますますしっぽを強く振る。
 私の高まった気持ちは、すっかり萎えてしまった。小次郎専用の皿を洗い、ドッグフードを入れる。いつもの場所に皿を置き、「待て」と言ってしばらく動きを止めさせてから「よし」と言って食べるのを許可する。
 小次郎はガツガツと音を立てながらドッグフードを食う。一気に食い終わると、今度は水を、ピチャピチャと盛大に音を立てながら飲む。飲み終わると定位置のソファに飛び乗り、長い胴体をくるりと巻く用にして、ソファの縁に自分の顔を乗せ、目をゆっくりと閉じる。「食った食った。満腹だ」という心の声が聞こえてきそうである。
 小次郎が食事をしている間、先ほど聞こえた、頭の中に直接響いてくるような「声」は聞こえなくなっていた。
 小次郎なのか?
 いつも、こちらの考えを見透かしているかのような表情をする犬ではあった。話しかけたことの意味がわかっているようでもあった。いつかしゃべり始めるのではないかと、半分本気で考えたこともある。
 しかし、なぜオレを罵倒する。
 しかも、偉そうなことを言っておきながら、自分はメシを食って眠れさえすればそれでよいのだろうか。
 ふざけた犬だ。
「おい」
 ソファに寝そべったまま、顔を上がることすらもせず、目だけを半分開けて私の方を見る。
「小次郎!」
 あくびをしやがった。
「お前、明日はオヤツ抜きだ」
 小次郎は起き上がり、ソファから飛び降りた。床に座り込んで、私を見上げた。抗議のポーズだ。
「お前、飼い主に対して、なんであんなこと言うんだ。しかもあんなタイミングで」
《うるさいオッサンやなあ》
 声が、聞こえた。
 小次郎は、相変わらず上目遣いで私を見ている。
《実際その通りやろうが。人間のくせに、欲を何一つコントロールできん。飼われてるワシが情けないわ》
 なんと言うことだ。小次郎がしゃべってる!
《わしゃ、お前さんに飼われとる犬や。自分では、食欲や性欲はコントロールできん。しかし、コントロールした方が良いのはわかっとる。散歩の時に見かける、まともに歩けないほど太ってしまった他の犬のことを考えれば、お前さんがワシの食事をコントロールしてくれてるおかげで、毎度の食事が、例え栄養のことだけしか考えられてない安物のペットフードであろうとも、美味しく感じられる。健康で、ボールを追っかけて走り、身体を動かす楽しみを味わうことができておる。いい加減、もっと良い音が鳴って噛み応えのある新しいボールが欲しいがな》
 小次郎は「しゃべって」いる間、ずっと私の方を見たまま、動かなかった。
《食べるとか、寝るとか、そんな欲求でさえ、コントロールした方が、より食べることや寝ることそのものを楽しむことができる。ましてや人間が、生存とは直接結びついていない欲求をコントロールできず、結果的に不幸になったり、身体を壊したりしているのを見ると、本当にアホじゃないかと思うな》
 しかし、しゃべっている内容は、とても犬のものとは思えない。まして、犬好きが必ず振り返るほど一見かわいらしいミニチュアダックスがしゃべっているとは。
《動物は本能で動いていると思っている人間が多いらしいが、そんなことはない。ちゃんと学習した結果身につけたものによって動いている。まあ、「パブロフの犬」みたいな単純な反射が多いがな。しかし人間だって、似たようなもんだ。お前さんがこの前読んでた『単純な脳、複雑な「私」』に書いてあっただろう。人間の行動が起きる過程の話だ》
 小次郎が言わんとすることはわかった。脳科学者池谷裕二の本には、こう書いてあった。
 人間が行動を起こす場合、まず脳が行動の準備を始める。そして準備が整って、行動を起こすことができるようになってから、「行動を起こそう」という意思、意識が生まれる。これは実験で確かめられている。順番として、「行動を起こそう」という意思が最初ではないのだ。
「行動を起こそう」というのは、自由な意思ではない。脳が先に準備をしてから作っている意識だ。
 自由意思などない。
 ただし、ここから池谷裕二は、重要な、我々にも受け入れやすい事実を教えてくれる。
「行動を起こそう」という意識が生まれたあと、実際に人間が行動を起こすまでには、時間があるのだ。この時間を池谷裕二は「執行猶予」と呼んでいる。この時間に、我々は、その行動を起こさないことができる
 つまり我々は、自由意思で行動の準備を始めるわけではないが、行動の準備ができた後に、その行動を起こさない権利を持っている。
 自由意思はないが、拒否権はあるのだ。
《拒否権を使わないのなら、意識なんかなくて良いのだ。人間のくせに。もっと考えろ》
 小次郎は言った。
《そして、オヤツをくれ》
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