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セルフコントロール研究所 ~ ともぞうブログ

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2011/06/05(日) 00:34:05

[小説] 図書館戦争 広告付きのメディアだけで世の中わかったつもり?

図書館危機 図書館戦争シリーズ3 (角川文庫)
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 157


未来の日本で、検閲のため実力行使をしてくる国の組織と、表現の自由を守るために、地方組織の「図書隊」が戦う(実際に銃を撃ちあって人が死ぬ)というシリーズの3冊目。4月から文庫化され始めてて、楽しく読んでいた。「表現の自由は大事だけど、そのために人が殺し合うなんて、誇張にしても大げさな話やな」と思いながら、あまり気にせずに。強いて言えば、物語を単純に楽しめなくなる可能性のある、人が殺し合うシーンを入れるなんて、作者はそこまで苦労する必要があるのかな、と思いながら。

でも。
物語は架空の未来の話で、現実にはそこまで不当な規制なんてないし、将来もそんなにひどくなることはないだろう、そう思っていたのは、実は根拠のない思い込みだったのかな、と思い始めている。

後書きで、図書館戦争シリーズのアニメ化が、「聴覚障害者の登場人物の地上波登場NG」が条件だったと書いてあったから。
そして作者の有川浩は、他にも、実際に自主規制と戦った経験がある。
その上で「戦争」と銘打った小説を書いてる。

ただ、何ゆえの自主規制かというと、建前上は、「それによって傷つく人がいるから」なわけです。そんな善意の自主規制に、あくどい、手段を選ばない、命を軽くみるようなものはないだろうと推測されるのだけど、その影響は、本来自由であるべき表現にものすごく影響を与える。

とすると、カネが絡むと表現はどうなるんだ。

表現によって誰にも直接カネの損得があるわけではない、「差別語」にさえ、それだけの作用が働くのだから、広告付きのメディアなら、どれだけ表現が歪められるか。想像するだけで恐ろしい。

広告付きのメディアの言うことを鵜呑みにするだけで世の中がわかったような気になってる人、大きな間違いです。

自分でちょっとだけ考えれば、マスメディアがいかにオカシイか一目瞭然なのですがね。

本当に「エコ」をうたうなら、何も消費しなければ良い。「節電」するのにグッズを買う必要があるのか。
健康が心配だからダイエットするというのに、散々食べて、食べたカロリーを「なかったことにする」サプリをお腹の中に入れる。内蔵壊れるわ。最初から食わないのが一番健康に良いのに、それじゃ儲からないからだ。儲けるためには、ダイエットは成功させてはいけないのである。

「図書館戦争」の世界でネットがどういう扱いになっている設定なのか、忘れてしまったけど。

山本弘のSF秘密基地BLOG:【クイズ】『AERA』に載った放射線の数値が変

こんな記事を書けるのが、個人ブログのアドバンテージだ。

広告主のことなんか考えずに書ける強みを活かして、みんながもっと自分で考えるきっかけを提供できるようになりたい。
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2011/04/04(月) 06:29:42

[小説] 有川浩に夢中

おもしろいってどういうことかっていうと、夢中になれるってことだと思います。他のことを全部忘れて、没頭できて、気づいたら時間が過ぎてる。
そういうおもしろさを実現するために、何が必要かというと、とにかく邪魔しないこと。
その世界の中に入るのを。
登場人物に感情移入するのを。

ダメなパターンとしては

わかりにくい
リアリティがない
作者の意図が透けて見える
文章のテンポ・リズムが悪い
暗い・重い
説明が多すぎる

等があると思います。

もちろん、「邪魔しない」だけではダメで、邪魔されないで入り込んだ世界の中で、登場人物と一緒に、わくわくしたり、いろんな感情のうねりに巻き込まれたり、カタルシスがあったりしないといけません。

有川浩はそれができている作家だと思います。
そして、スッと物語の中に連れて行ってくれて、その中でぐいぐい引っ張っていってくれて、最後には、女性でないと気づかない感情の機微を、男性的な論理でスパッと切って見せてくれる。
すごいと思います。

まだ『図書館戦争』を読んでいないので、これから楽しみです。

tomozoのバインダー / 有川 浩 - メディアマーカー

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2011/03/09(水) 23:47:20

[小説] 小説はあなたを救う

まずこちらの素晴らしいエントリをご一読ください。

搾取されないためには選択肢を増やすしかない

そして、一番大切な、増やすべき選択肢って何でしょうか。
二番目は、お金だと思います。何とでも交換できるのがお金。たくさん持っていれば持っているほど、選択肢が増える。
じゃあ一番は、お金で変えないもの? 愛情? 絆? 家族? 幸福?
そういうのは、人間が感じるものでしょう。認識するもの。だから、増やすべきオプションは、認識の仕方。

事実は変えられない。でも、認識は変えられる。
幸福かどうかは認識の結果であり、認識は変えられる。
もし不幸だと認識したとき、認識の仕方を一つしか知らなければ、逃げることができない。
認識のオプションがなければ、「現実」に搾取される。

「自由がない」のは、誰かや何かに縛られている時だけではありません。選択肢を獲得していない場合も、自由ではないのです。
そして、「選択肢は、得ようとしなければ得られない」。

一つの事実に対して「ウザい」「ムカツく」という解釈の仕方しか知らなければ、その事実によって幸福になることはありえません。だから、語彙の貧弱な人、感情の表現の仕方がステレオタイプな人は、不幸なのです。

そして、「選択肢は、持っているだけで効果がある」。

今日ぼくが読んだある小説の中で、主人公の女の子は、聴覚障害のために会社の中で辛い目に遭います。でも、会社は障害がある自分を雇ってくれているのだから、我慢しなければいけない、と思って我慢します。それがすごいストレスになって女の子を苦しめます。そこでもう一人の主人公の男の子が、こう言います。「障害者枠は単なるボランティアではない。助成金も入るし、企業にもうまみがある」と。この男の子の認識を女の子がまるまる採用して「そうだ、会社も得してるんだから、私も堂々としていいんだ」と思って、大きな態度を取り始めるようになる、わけではもちろんありません。むしろ、そんなことは言ってもやはり、と、思い続けます。それでも、です。男の子の認識の仕方を、オプションとして持つだけで、使わなくても、効果があるのです。気持ちは楽になるのです。

――物事をいろんな角度から見るように習慣づけることが大事なんだな。前原外務大臣の辞任についても、本当は「法律違反なんだから当たり前」と思ってても、いったん「故意かどうかわからないし、たいした犯罪でもないのに、かわいそう」と思ってみてあげれば良いのか。

たしかにそうなんですが、そういうのは、非常に難しい。社会生活を送る上で、ぼくらには立場があって、普段から例えば民主党支持だったりそうでなかったりして、それをひっくり返して考えてみても、結局いつもの自分の立場に戻っているし、いちいちそんなことを考えるのはめんどくさい(でも、良いことであることはたしかです)。

それよりも、物語を読みましょう。

物語を読むのは楽しい。そして、本当に他人の立場になれる。損得勘定抜きで感情移入できる。つまり、いろんな立場からの解釈・認識ができるようになる。
さらに、登場人物の、事実・現実・世界に対する認識の違い、ぶつかり合いこそが、物語のおもしろさなのです。

マンガや映画も良いけれど、特に小説を楽しむことができれば、現実世界の認識の仕方も自由自在に変えられる。
残酷な世界に打ちのめされず、したたかに生きる武器になる、と思います。

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2011/02/04(金) 21:12:17

[小説] みんななぜ麻耶雄嵩を知らないのか

とは言え、最近の麻耶雄嵩の小説はぼくも読んでなくて、読んだのは

メディアマーカー - tomozoのバインダー / 麻耶 雄嵩

くらいなんですが。

しかし、『翼ある闇』だけはぜひ読んでいただきたい。その次は『メルカトルと美袋のための殺人』で。
とにかくひっくり返されるのが大好き、とか、とにかくヘンテコリンな探偵が大好き、という、ぼくと似た嗜好の方、ぜひ。
最初、多少読みにくいかもしれません。あと、ちょっと古い(いつの間にこんなに時が経っていたのだ……)ですけど。
ぼくも最近の摩耶雄嵩を読んでみようと思ってます。
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2011/01/25(火) 21:08:04

[小説] 人柄の良さは宮部みゆきの武器ではない

宮部みゆきの武器は、あくまで技術と、誠実さだと思います。

よく「ハートウォーミングな作風」とか「人柄の良さが作品に現れている」とか言われて、確かにその通りなんだけど、人柄の良さは武器ではなくて、むしろ足かせではないかと推察します。

わけの分からない犯人がわけの分からない動機で、ひどいことをする。そういう話のほうが、むしろ作りやすいのではないか。ひどければひどいほど、最初人目は引きます。それが最後まで解決されなかったりテキトーに誤魔化されてたりすると、後味が悪かったり、「ただ目立つためだけにあんなひどいエピソード入れたのか、プンプン」となるわけですが、最近、あまり後味の悪さを感じなかったり、プンプンしない人が多い気がします。みんな刺激に慣れてきてしまっているのか。

でも、宮部さんは人柄が良いので、そういういいかげんなことはしません。みんな良い人で、みんな自分の人生を持った生きた人間だと、びっくりするような大事件は起きにくいです。そこを、頭を使って、一生懸命考えます。見せ方を工夫します。それでも起こる事件を、描写します。

だから、人柄が良いからハートウォーミングな作品をつくれるわけではなくて、「人柄が良いにもかかわらずストーリーをつくれる」のだと思うのです。そしてそれは、確かな技術と作品づくりに対する誠実さから来ていると思うのです。

メディアマーカー - tomozoのバインダー / 宮部 みゆき
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2011/01/20(木) 22:46:55

[小説] 西尾維新読むなら

というエントリを書こうとして準備していたら、小飼弾御大が化物語シリーズに大ハマリして感想を書いてらしたので、何か先越されたようでちょっと悔しいです。

ぼくが読んだのは

  • 戯言シリーズ
  • 人間シリーズ(人間試験・人間ノック・人間人間・人間関係無桐伊織)
  • JDCトリビュート
  • 新本格魔法少女りすか(2まで)
  • 化物語シリーズ
  • 刀語
  • 世界シリーズ
  • xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル

くらいです(メディアマーカー - tomozoのバインダー / 西尾 維新)。
が、正直、戯言シリーズ以外はおすすめはできないです。

戯言シリーズにしても、最初はかなり懐疑的に読んでました。
今思うと、それは独特の言葉遊びと、一人称のせい。

現代の小説はフツー、カメラから見た映像やシーンを描写するはずなのに、それがない。外見の描写はあるけど、それは語り手がしゃべっているだけで、全く客観的ではない。そして言葉遊びだらけ。

ただ、言葉遊びが気にならなければ(むしろ小飼弾さんは楽しんでいるみたいだし)、一人称が読みやすいのは間違いない。

そして一人称によって読者と語り手が一体化しているにも関わらず、作者は語り手を一キャラクターとしか扱わないことで、驚きとかショックとかストーリーのうねりとかを感じさせることに成功しているのが、ぼくの好きな戯言シリーズの中盤だと思うのです。
さらにそのパターンを純粋化させると世界シリーズになります。

正直、刀語は最後まで読んだものの、他に読むべき本はいっぱいあるよなあ、という感じ。

そして化物語シリーズは、『化物語』はすごく良かった。昔懐かしくて(笑)
ただ、最初は「リラックスしたギャルゲー的一人称」だったのが、シリーズが進むにつれて、単なる作者の語りになってきて、主人公=作者=読者が自分で伏線張って自分でご都合主義的に解決して、自分で驚いたり悲しんだり萌えたりしているという、わけのわからない状態になってしまってる。全体の構成とか関係なく、ピンポイントで燃えたり感情移入したり驚いたりできて、画像が無くてもギャルゲーの画面が想像できたりアニメの映像が思い浮かんだりする人は、楽しめるでしょうけど。

というわけで、おすすめさせてもらうのは、戯言シリーズと『化物語』上下巻と、ミステリ好きな人には世界シリーズくらいで良いんではないでしょうか。
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