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セルフコントロール研究所 ~ ともぞうブログ

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2010/08/22(日) 15:05:41

[考えない練習] 一切皆苦

タバコが美味い理由として、『読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー (ムックセレクト)』に、次のような趣旨のことが書いてありました。

タバコを吸うことによって、タバコを吸っていない時間すべてが、苦痛の時間になる。タバコを吸っている時間だけが、苦痛から解放された時間になるから、いつもタバコのことしか考えられなくなる、と。

タバコをやめようとがんばった経験のある人なら、この説明、実感としてよくわかるのではないでしょうか。ぼくも、なるほどと思いました。
と同時に、でも、それならそれでいいんじゃないか、と、タバコをやめたくなかった当時のぼくは、思ってしまうわけです。
人生の楽しみなんてみんなそうじゃないか、と。
しんどい思いして仕事をするからこそ、それが終わったときには達成感や開放感が得られる。楽で簡単な仕事で得られる充実感は、たいしたことがない。
結局、「タバコの快楽はタバコを吸えない苦痛からの開放感にすぎない」という、なかなか素晴らしい発見も、禁煙にはあまり役に立ちませんでした(その他の禁煙のデメリットや、タバコに支配される不自由からの脱出を考えることが禁煙に役立ちました)。

煩悩リセット稽古帖』に、一切皆苦の説明として、次のようなことが書いてあります。
修行中、何時間も裸足で歩き続けていて、道の上の小石を踏むたびに痛みの苦を感じてから、砂地に足を踏み入れると、至福を感じる。しかし、歩き始めてすぐに砂地に入った場合、何も感じない。「楽」というのは、「苦」がなくては存在しないただの蜃気楼、思考の詐欺なのだ、と。
タバコといっしょですね。
無条件な、独立した「楽」というものはない。ただ、「苦」だけがある。「苦」から解放される時に現れる蜃気楼が「楽」である。
一切皆苦、すべてが苦である、なんて言われると、「ええ~、そんなんイヤやなあ。人生に楽しいことがなかったら生きてても仕方ないやん」と思ってしまいますけど、実はちょっと違います。
「楽しい」って何でしょう?
「ああ、今楽しいなあ」って思うこと、ありますか?
「楽しいなあ」と思うということは、自分の状態を自分で見て分析してるわけで、ある程度冷静なんですよね。つまり、あんまり夢中になってないってことなんです。本当に夢中になって今やっていることに熱中してやってる時って、そんな分析してるヒマなくて、あっという間に時間が過ぎ去ります。旅行は計画・準備の時が一番楽しいというのはそういうことで、つまり、「楽」という状態は、ないのです。あるのは、「フロー」であり、将来の「楽しみ」であり、蜃気楼の「楽」です。
そして、今やってることがやりたくないことである場合、当然やっている対象以外のことを考えますから、「はやく終わって欲しい」と思ったり、「苦しいなあ」と思ったりしますよね。だから、「苦」という状態は、あるのです。

ここまで書いてきたことが何の役に立つかというと、安易に、無条件に存在する「楽」を追い求めてしまう間違いを犯さなくなる、ということです。
努力せず、苦労しなくても、「楽」になれることがある、という勘違いをしていると、そればっかり求めてしまいますが、本当は、独立した「楽」なんて、ないのです。
タバコを吸うとリラックスできるとか楽になれるというのは勘違いで、実はタバコを吸っている瞬間だけしか楽になってはおらず、タバコを吸っていない間中ずっと「苦」なのです。酒を飲むのもお腹が空いてもいないのに食べるのも、そうすれば無条件で「楽」が得られると勘違いしているからですが、実は無条件ではないのです。依存したり身体にダメージを与えたりするのと引き替えに蜃気楼の「楽」を得ているのです。一見お手軽、カンタンに「楽」になれるように見えて、実は自分で「苦」になって、そこからの開放感を得ているだけなのです。
だから、無条件の「楽」なんてない、ということを実感として理解して、「フロー」を探すことが大事だと思うのです。
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