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セルフコントロール研究所 ~ ともぞうブログ

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2010/09/19(日) 20:57:15

[文章の書き方] 一文の長さ

 わかりやすい文章にするなら、できるだけ一文の長さは短いほうがいいのです。

 日本語の文章は、「述語。」で終わります。そして、文が終わるまでは、その文全体の意味は判断できません。つまり、長々と述べてきたことを、最後に「というわけではない。」と締めくくると、途中までの読者の解釈とは逆の結論に、文章全体の意味がなってしまうことがあるわけです(実際には、最後がどういう形になるのか文脈から予測できる場合が多く、また予測できるように書くべきなのですが)。

 一文が長いと、その文の意味の最終的な判断を保留し、たくさんのことを頭の一時的な記憶領域に入れたまま読み進めなければなりません。これではわかりにくいのは当然でしょう。

 一文が長いほうが良い場合というのも、もちろんあります。

(1)複雑なことがらを正確に表現する必要がある場合

 当然ですね。

(2)効果を狙う場合

 一つめは、「わざとわかりにくく書く」場合です。

ぼくはこう思います。

 パソコン通信で、こういう書き込みがあったとします。それに対するレスポンスとして、

たしかにそういう部分はありますが、ぼくはこれこれだと思います。

 と一文を長くして書くのと、

たしかにそういう部分はあります。でもぼくはこれこれだと思います。

 と区切って書くのとでは、印象が少し違うと思います。

 前者は、文全体の言いたいこと(ぼくはこれこれだと思う)に、前半部分の留保がついている分、自分の主張をわかりにくく、弱める効果を持っていると思うのです。
 後者は区切って書かれていますから、一文一文の意味がはっきりしています。そして二つめの文のほうが言いたいところであることが明確なため、主張がわかりやすく、力強いものになっています。

 ぼくの場合、パソコン通信では前者の書き方のほうがどうしても多くなってしまいます。意識していたわけではないのですが、考えてみると、効果を狙っていたんだなと思います。

 もう一つ例を挙げます。長くして「ため」をつくる場合です。

自分が心から愛した男を、はじめて、そして何度も心と身体を重ねあった、ただ一人の男性を、彼女は殺したのだ。

 ためてためて、最後に「オチ」をつける方法です。じらせばじらすほど効果がありますが、「オチ」にインパクトがなければ意味がありませんね。この場合は「殺す」という言葉だからそのままでもOKでしょうが、「惨殺したのだ」とか「ぶっ殺したのだ」とかのほうがいい場合もあるでしょう。もし「殴る」だった場合、そのままではなく「ぶん殴る」にしたほうがいいかも知れません。日本語は最後ですべてが決まってしまいやすいので、複合している動詞が多いのではないかと思います。「置く」ではなく「置いておく」のほうがリズムが良い場合など、よくありますよね。


「文」の集合である「文章」のわかりやすさにも、一文の長さは影響します。「文」は一つの意味上のかたまりであり、それが集まって「文章」になっています。「文」と「文」とのつながりは、接続詞によって表現されたり、それが明確である場合には何も書かれなかったりします。一文の中にいくつも屈折があると、文と文との関係をつかむのは困難になります。

「AだがB。だから、CだがD。」と言われても、「だから」が「BだからC」ということを表すために使われているのか、「BだからD」だということなのか、わかりません。一文が一つの意味のかたまりをはっきりと示すようにしておけば、文と文との関係も、接続詞がどういう意味で使われているのかも、明らかになります。

 構造化プログラミング、例えばC言語の経験のある人には、「文は関数のようなものである」と言えばわかりやすいかもしれません。ひと目でその意味(手続き)がわかるようにつくられたモジュールを組み合わせることで、全体の構造がつかみやすくなります。修正の際にも、順番を入れ替えるなどして全体の構成を変えたり、一部だけを修正して他の部分に影響を与えないようにしたりすることが容易です。

 もちろん、文章の書き方は自由で、多様な構成が認められるべきですが、ここでは「わかりやすさ」を問題にしています。一つの「文」を、一つの意味のかたまりとして、ムダなくすっきりと記述するということは、自分の頭の中のモヤモヤした考えを整理するということでもあります。そうして書いた文を組み合わせることで、複雑な内容を深く考え、わかりやすく伝えることができるのです。


2000年頃「テキストのテキスト7 一文の長さ」として発表した記事です。
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